相続

 

相続と遺産承継

 

相続とは

「相続」とは、ある人が死亡したときに、財産や権利、義務などを承継することをいいます。
相続で承継する財産としては、不動産・現金・預貯金・有価証券(株や投資信託)・自動車などがあります。
相続財産の中には、預貯金などのプラスの財産・資産だけではなく、銀行やサラ金・カードローンでの借金などのマイナスの財産・負債も承継することになります。
また、亡くなった被相続人が、誰かの保証人や連帯保証人になっていた場合には、保証人としての義務(保証債務)も、相続人が引き継ぐことになるため、注意が必要です。

 

相続する人は?

相続によって財産を相続する人=相続人は、法律(民法)によって決められています。
事例として、相談者の父が他界した場合の相続人が誰になるか、見ていきましょう。


 【事例】
 相談者 Aさん
 今年の9月1日、相談者の父親が亡くなった。
 相談者の家族は、父・母・相談者・弟 である。
 また、父の両親(相談者の祖父母)と、
 父の姉(相談者の叔母)がいる。

 この家族関係において、
 父の相続人と相続分はどうなるか?
 

配偶者は必ず相続人になる

法定相続人を考える上で、まず一番は、配偶者です。配偶者は、相続においては必ず相続人となります。
今回の事例では、父の妻・つまり相談者の母相談者の母 が、必ず相続人となります。
 

子どもが第一順位の相続人

配偶者以外の相続人には、順位があります。
第一順位が子(直系卑属)、第二順位が親(直系尊属)、第三順位が兄弟姉妹 という順番です。
亡くなった被相続人の子どもは、第一順位の相続人となります。
つまり、本事例においては、相談者Aさん相談者 と相談者の弟相談者の弟 は、相続人に該当します。

→ 第一順位の相続分は?

相続による法定相続分も、法律により定められています。
配偶者と第一順位の相続人(子)が相続人になる場合は、配偶者が2分の1、子が2分の1という割合になります。
今回の事例は、子が2名いますので、2分の1×2分の1で、子ども一人当たりの法定相続分は、4分の1となります。

 

親が第二順位の相続人

被相続人の親は、第二順位の相続人になります。
第二順位の相続人は、第一順位の相続人がいない場合のみ、相続人となる資格があります。

つまり、今回の事例では、被相続人に子どもがいるため、被相続人の親(相談者から見たら祖父母)相談者の祖父母 は、相続人にはなりません。被相続人に子や孫(直系卑属)がいない場合に初めて、親が相続人になるということになるのです。

→ 第二順位の相続分は?

今回の事例で、仮に子がおらず、被相続人の配偶者と被相続人の親が相続人になる場合は、それぞれの相続分はどうなるのでしょうか。この場合は、配偶者が3分の2、親が3分の1という割合で相続することになります。

 

兄弟が第三順位の相続人

被相続人の兄弟姉妹は、第三順位の相続人になります。
第三順位の相続人は、上記と同じように、第一順位の相続人も、第二順位の相続人もいない場合のみ、相続人となります。
たとえば、被相続人に子がおらず、被相続人の親もすでに他界しているような場合に、兄弟が第三順位として相続人になります。

→ 第三順位の相続分は?

今回の事例で、被相続人の配偶者と、被相続人の兄弟姉妹が法定相続人になった場合の相続分は、
配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1という割合で相続することになります。

 
 



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